洋式トイレ、間接ケッツ問題
今や和式トイレは減少傾向にあり、洋式トイレが圧倒的シェアを誇っているのは周知の事実だと思います。パーキングエリアなどの大きなトイレであればかろうじて一つ和式トイレがあるくらいで、今後新たにトイレが新設されるとしてもやはり洋式トイレが作られるのでしょう。
そう、これからは洋式トイレの時代だという事です。素晴らしいですよね、洋式トイレ。和式トイレのようにやや安定性に欠ける姿勢で、緊張気味にまるで急かされているかのように用を済ますのでは無く、着座して平静の心で用を済ます事が出来る。嗚呼、なんと素晴らしき洋式トイレ。
––––しかし、それは自宅のトイレに限られた話ではないでしょうか? これが公共のトイレとなるとどうでしょうか?
なるほど、確かに公共のトイレも自宅のトイレ姿形は変わりません。何が変わるのか。人です。不特定多数の人が着座するのです。自分が着座するその前に着座していた人と間接的にお尻を擦り合わせる事になってしまうのです。私はこれを間接キッスならぬ間接ケッツであると提唱しております。この問題は洋式トイレの利点を上回るほどの大きさと私は考えます。
「口と尻では扱いがぜんぜん違う。口は食べたり、キスしたりするが、尻は座る時のクッションとして機能するくらいではないか」と、言われる方もいらっしゃると思います。
では、想像してみてください。見知らぬ人と尻を擦り合わせている姿を––––!
なかなか恐ろしい姿ではないでしょうか? 通常尻と尻を擦りあわせるなどという行為は行わないものです。しかもそれが見知らぬ人とするとなると私は恐ろしくて震えが止まりません。
更には、その人の尻がどれほどの間接ケッツを繰り返してきたものなのか分からないというのも大きな問題です。つまり、その人が何回着座したかによって間接間接ケッツになってしまう場合があるのです。「1人くらいの間接ケッツなら許せる範囲内だよ」という方もそれが10人となると、考えも変わってくるのではないでしょうか?
いえ、実際はもっと多くの方と間接ケッツしてしまう可能性があるのです。
洋式トイレの掃除をする時って通常は便器の中をしますよね? 便座を清掃する時もあるでしょうが、それは1週間に1回或いは1年間に1回かもしれません。そうなるといったいどうなってしまうのでしょうか––––? そう、私達は様々な尻と触れ合った便座と間接ケッツをしなければならないという事です。
つまり、不特定多数と間接的に肉体関係を持ったといっても過言ではないのではないでしょうか? 私達はこのままこの関係を続けていかなければならないのでしょうか? 常に浄化された尻を保つという事を私達は許されないのでしょうか?
確かにその不浄を断ち切る為に、殺菌的要素のあるスプレーが設置してあるのは知っております。しかし、それで断ち切ったといえるのでしょうか? 殺菌してもしなくても尻は尻なのではないでしょうか!
––––では、どうすればよいのか。私はこの問題に気付いてからというもの、昼夜問わず考えてきました。そしてとある公衆和式トイレで用を済ませようとしていた私は、「JAPANESE STYLE」と海外から来た方に和式トイレの利用方法について描かれた絵を見た瞬間に辿りついた答えがネオジャパニーズスタイルです。
つまり、洋式トイレでも和式トイレの利用法を貫くというまったくもって革新的なやり方なのです。
早速ご説明致しましょう。
①便座を上に上げます。(この際間接ケッツされていない根元部を持ちましょう)
②適切な所までズボンなどを下げます。
③尻をまるで便座があるかのように空中で停止させます。
④今です。排便してください。
これがネオジャパニーズスタイルの全容になります。
いくつか気をつけて頂きたい事があります。③の姿勢はいわゆる空気椅子の姿勢と酷似したものとなる為それなりに筋肉が無いとその体勢を保つ事ができません。ある程度筋肉を付ける事を推奨します。また④の時には、便器内部にある水の中に直接いれてしまうと速度によっては水がはねかえってしまう場合がありますので、ご注意下さい。
以下はネオジャパニーズスタイルを実践している人の感想です。
「最近、周囲の方からよく笑うようになったね。って言われるんですよ。やっぱり、尻に自信が持てるようになったからかなって思います。僕はあまり自分の事が好きでは無かったのですけど、これからは少しずつ自分の事が好きになっていけるんじゃないかな。オススメです、ネオジャパニーズスタイル」––––太郎さん(29歳)
※これは個人の感想で感じ方には個人差があります。